サンゴスタッフコラム

なぜサンゴ礁を守り、再生し、伝えるのか?

なぜサンゴ礁を守り、再生し、伝えるのか?
これは、「なぜ世の中に水族館は必要なのか」の問いに近いと思います。
そして答えは、「サンゴ礁は私たち地球で暮らす生きものたちにとって大切だから」の一言に尽きます。

石垣島のサンゴ礁とハナダイ達の群れ

水族館は、たくさんの生きものたちのいのちを預かり、それを来館してくださった方に見てもらい、体験をしてもらい運営している施設です。水族館が預かっているいのちはその多くは自然からやってきたもの、一部は水族館などのヒトのつくった環境で繁殖したものです。どんないのちだろうと、それぞれが健やかに、本来の姿や行動をして過ごせるように尽くすことが飼育員や獣医師の存在価値です。
そしていのちの尊さやかけがえのない地球環境、自然に思いを馳せてもらえるように展示を行うこと。これが水族館の社会的意義・存在価値のひとつと言えます。

近年地球環境は大きく変わっているといわれています。地球環境が急激に変化してしまうと、私たちは今まで受けてきた地球や自然からの恩恵を受けにくくなってしまいます。海で食べる魚が獲れなくなってしまったり、異常気象に見舞われたりといったことがその例です。絶滅危惧種と呼ばれる生きものたちも増えています。

アクアパークで飼育展示している生きものの多くはサンゴ礁に分布域が重なります。その生きものたちはサンゴ礁から何かしらの恩恵を受けています。サンゴ礁を隠れ家にしたり、サンゴ礁を餌場としていたり、種類によってさまざまです。アクアパークで人気のバンドウイルカやナンヨウマンタもそうです。そんな生きものたちの故郷を守りたい、これからもずっとたくさんの生きものたちが暮らすサンゴ礁を未来へ残していきたいという思いから、私たちはサンゴの再生活動に取り組んでいます。

アクアパークで飼育しているチョウチョウウオやハナゴイ、
ナンヨウマンタもサンゴ礁の海で見ることができる

東京からできることは限られています。アクアパークの近くの海にはサンゴ礁はありません。しかしながら東京の大都市にある水族館にはたくさんのお客さまが来てくれる。直接何かはできなくても、生きものたちのため、自然環境のために、来てくださったお客さまにサンゴ礁の大切さやいまを伝え、一緒に考えていくことができるはず。

これからも生きものたちのいのちであふれる豊かな海がずっと続いていくように、アクアパークは挑戦していきます!